外食業界に広がる「非接触店」 料理運ぶ配膳ロボ、無人で注文や会計
参照:SankeiBiz
新型コロナウイルスの流行が直撃した外食業界で「非接触型」の新たな店づくりが広がっている。配膳業務を担うロボットや、客席からスマートフォンで注文や会計ができるシステムなどの導入が相次ぐ。各社は店内で従業員と客との接触回数を減らし、感染予防対策をアピールしている。
8月上旬の昼下がり、玉川高島屋S・C(東京)のグリル料理レストランでは、見慣れない姿の「店員」が店内を自由に動き回っていた。新型コロナの感染拡大を受け、この店では従業員と客が接触する回数や時間を減らす目的で、7月から配膳ロボットを2台導入した。
見た目はワゴンのような形で、センサーで人や障害物を避けて自在に動き回る。天井に貼ったシールを目印にして、客が注文した料理を載せて席まで正確に届けることができる。
導入を支援したベンチャー企業、QBITロボティクス(東京)の中野浩也最高経営責任者(CEO)は「飲食店では手厚い接客が重視されてきたが、コロナ禍で意識が変わった」と話す。
東京都渋谷区の「ジンナンカフェ」は、IT企業のショーケース・ギグ(東京)と組み、6月からスマホ上だけで注文から会計まで完結するシステムを導入した。客が机の上のQRコードを自分のスマホで読み取ると、画面上にメニューが表示され、気に入った料理を注文できる。そのままクレジットカードなどで支払いを済ませることも可能で、アプリをダウンロードする必要はない。
ショーケース・ギグによると、このシステムへの問い合わせ件数は7月に入って急速に伸び、1月の約3倍となった。緊急事態宣言に伴う休業期間中にアルバイトを減らした店舗が多く、省人化へのニーズが一段と高まっているためという。